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コラム

2014年11月05日 | 16:41 | コラム

木は呼吸するとか言うけれど・・・

住いの仕事に関わっているとく耳に押する言葉で「木は生きている」とか「木は呼吸する」などがあります。
実際に伐採された木は植物としての生命は終えているわけですから実際に呼吸はしませんね、少し違和感を感じますので、私はそのような言葉は使わないようにしています。
この言葉は木材が吸湿放湿する現象を呼吸に見立てているものだけの事です。

最近では木材以外の内装材で吸湿放湿することを謳った材料をよく目にするようになりました。「呼吸する壁」なんて謳う素材もあります。
また近年は泥壁などの伝統的素材もその吸湿放湿性能が見直されています。

建材メーカーなども面積当たりどのくらいの吸湿放湿性能があるかを現していますが、比較しやすい統一された表現方法では無いので実際の空間に使った場合どれだけ効果があるのかよくわからないのです。
吸湿放湿性能に期待されることは「夏の室内湿度を低下させる」であるとか「冬の結露を防ぐ」などが代表的なところですが、どのくらいの吸湿放湿性能がある素材をどのくらい使えば効果があるのか実際に表現することは困難です。

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結露を少なくさせる程度は確かに実感していますが、「夏の室内湿度を低下させる」とまでは体感したことはまだありませんし、窓を開け風を通す効果に比べれば内装材の吸湿放湿性能程度は体感的には無いに等しいと考えています。

吸湿放湿の原理は建材や木材表面の微小な孔に湿気を持った空気が接触し、湿気が孔に取り込まれる現象です。反対にする接する空気に含まれる湿気が少ないと穴に取り込まれた湿気が空気中に放散される現象を放湿と言います。
実際に住まいに使われるほとんどの素材には微小な孔はあるので常に室内では吸湿放湿現象が行われ、程度の差こそあれビニールクロスでさえその性質はあります。

室内に使われる素材で吸湿放湿性能が無いのは金属とガラスだけです。
冬の結露が現れる場所もまづは金属部とガラス部なのはそのためなのです。
吸湿放湿性能を売りにした建材は確かにある程度の効果はあるのだと理解していますが、室内環境をコントロールするほどの効果は期待しないほうが賢明です。
結露を防止したいのであればまずは「室内の絶対湿度を下げる」ことが大切で、生活の中での水蒸気発生を少なくする工夫が大切です。

ただ吸湿放湿性能が高い素材は気泡(孔)が多いため触感としてやさしく、冷たさを感じにくかったり暑さを感じにくかったり体感的に良好な環境をつくることが出来ます。
どちらかと言えば性能よりも総合的に良質な環境をつくる素材と考え選択したほうが良さそうです。その結果、吸湿放湿性能も付いてくる程度に考えましょう。

当然良質な環境を求めるという考えに立てばいくら吸湿放湿性能が高く謳われていようと化学物質、石油由来の原料から作られたものや、そのような成分が多い物は使うべきではないと思います。
新しい素材を使わなくても昔から住まいに使われてきた素材には確かに安心できるいいものがあります。
一つの性能だけに目を奪われない素材選びが大切です

住いのコラム家づくりの参考にしてください。アーキクラフトコラムです。